英国レディになる方法 (岩田 託子、川端有子著) - レビュー
お勧め度★★★★★
岩田 託子、川端有子著「英国レディになる方法」は、
ヴィクトリア朝のイギリスや、
アメリカ・カナダの女性たちが、こぞって目指した、
「レディ」としての生き方を、
その人生を支えた「物」や「事」を通して紹介している本です。
これを読めばあなたも英国レディ?
図が多くて分かりやすく、説明も詳しいので、
ヴィクトリア朝の小説等を、
もっと深く理解したい方にお勧めです。
ヴィクトリア朝の時代に書かれた物語を読んでいると、
色々と、よく分からない物や風習が出てきますが、
それらの疑問の謎解きを、この本では目指したそうです。
まえがきによれば、たとえばこんな疑問…。
アリスが通り抜けた鏡のまわりに飾られていたものはなんだったのか。小人のコップになるような指貫とはどのようなものか。花嫁は支度に何をそろえたか。理想の腰回りとは何センチくらいだったのか。髪の毛を編んで作ったアクセサリーって、どんなもの?などなど……。
「ふしぎの国のアリス」、「赤毛のアン」、「若草物語」などなど、
ヴィクトリア朝文化から生まれた文学作品を引用しながら、
ヴィクトリア朝の事物を解説されているので、
あぁ、なるほど、あれはこういうことだったのか、
と納得しながら読むことができます。
全体は6つの章に分かれています。
- Chapter1 少女時代
- Chapter2 結婚式
- Chapter3 奥様稼業
- Chapter4 子ども時代
- Chapter5 年中行事
- Chapter6 弔い
まえがきによると、
ひとりの裕福な中流階級の女性を想定し、少女時代から大人の女性に成長し結婚、さらに子どもが育ち、夫に先立たれて未亡人となるまでの人生を支えた「物」や「事」を項目ごとに記述した。
とのこと。
面白い構成ですね…。
オルコットの「若草物語」に出てくる[髪ごて・巻紙]や、
ゴッデンの「人形の家」に出てくる[人形の家]、
「あしながおじさん」の主人公ジュディがやっていた[エクセサイズ]などなど、
豊富な写真や絵で詳しく解説されています。
装丁は、薄手のハードカバーで、
印刷は部分的にカラーです。
女の子なら誰でもワクワクしてしまうような、
当時の可愛らしいドレスを来た女の子の挿絵も満載です。
読みやすく、興味深い一冊です。
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