世界服飾史(深井晃子、古賀令子ほか) - レビュー

お勧め度★★★★☆


世界服飾史」は服飾の歴史を、
豊富なカラー資料で紹介している本です。


世界服飾史
世界服飾史
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深井 晃子 古賀 令子 石上 美紀 徳井 淑子 周防 珠実 新居 理恵
美術出版社
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扱っている期間は幅広く、
中世から20世紀まで、
絵画や実物写真などを織り交ぜて紹介しています。


以下の8つの章に分かれています。

  • I章 古代
  • II章 中世
  • III章 16世紀
  • IV章 17世紀
  • V章 18世紀
  • VI章 19世紀
  • VII章 20世紀前半
  • VIII章 20世紀後半


19世紀や20世紀前半の女性の衣服に注目してみると、
コルセットが必需品となり、
スカートが膨らんでいった後、
女性解放の動きやスポーツの普及によって、
新しいファッションの流れが興って行った様子がうかがえます。


挿絵を順に眺めると、
エマ」のジェーン・オースティン風な服装から、
若草物語」のオルコット風の服装になり、
赤毛のアン」のモンゴメリ風になり、
そして、アガサ・クリスティ風になり…、
と時代の流れがよく分かります。


説明の付いていない図がちょこちょこあるのが、
残念なところですが、興味深い一冊です。


世界服飾史
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それにしても、
コルセットが強要される時代に生まれなくて良かったと、
つくづく思わずにはいられません。


いつの日か、ワイヤ入りブラも過去のものとなりますように…。
ちゃんとネットに入れて洗ってるのに、
洗濯のたびに少しずつ変形してしまうので、
肺が圧迫されたりしてつらいんです、ホント。


ちなみに、
若草物語」で有名なオルコットの作品
八人のいとこ」(村岡花子)の18章「流行と生理学」で、
主人公ローズの服装のことで、
保護者たちが議論を戦わせる場面があります。


ローズの叔母の一人は、ローズに最新流行の服を着せますが、
医者でもあるアレックス叔父は、体を締め付ける服に大反対。
どこも締め付けない運動に適した服を試着させます。
その服を着て飛んだり跳ねたりするローズの様子、
お気に入りのシーンの一つです。


ルイザ・メイ・オルコット
角川書店
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