「少女小説」ワンダーランド―明治から平成まで(菅聡子他) - レビュー
お勧め度★★★★☆
『「少女小説」ワンダーランド―明治から平成まで』は、
「少女」研究の研究者たちによる、
「少女小説」について論じられた本です。
「少女小説」という言葉ですが、
この本の冒頭では、次のように定義されています。
ここでは、この語の範囲をもっともゆるやかに考えて、少女を読者として書かれた作品、というように定義しておきたいと思います。
この定義通り、この本では、
「若草物語」や「赤毛のアン」から、
氷室冴子やハリー・ポッターシリーズに至るまで、
様々な「少女小説」について論じられています。
I章では、
日本における少女小説の変遷が紹介されており、
明治から平成に至るまで、
どのように、少女小説が変化し、
どのように、少女という存在が変化してきたかが、
興味深く論じられています。
また、III章では、
『名セリフで読む「少女小説」名作ガイド』
として、和洋を問わず色々な少女小説から、
名セリフを紹介しています。
「赤毛のアン」からは、
「自分が男と子だったら…」と悔やむアンに、
マシュウが言うセリフ、
そうさな、わしには十二人の男の子よりもお前一人のほうがいいよ」とマシュウはアンの手をさすった。「いいかい?――十二人の男の子よりいいんだからね。そうさな、エイヴリーの奨学金をとったのは男の子じゃなくて、女の子ではなかったかな?女の子だったじゃないか――わしの娘じゃないか――わしのじまんの娘じゃないか」
が、名セリフとして選ばれています。
読み返すと目がうるんでしまうような、いいセリフですね。
全体の章立ては以下のとおりです。
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