赤毛のアンに隠されたシェイクスピア(松本侑子) - レビュー

お勧め度★★★★★


松本侑子著「赤毛のアンに隠されたシェイクスピア」は、
赤毛のアン」の翻訳者松本侑子による、赤毛のアン」解説本です。
内容が濃く興味深い本です。


赤毛のアンに隠されたシェイクスピア
松本 侑子
集英社
売り上げランキング: 177141


シェークスピアだけでなく、イギリス文学アメリカ文学など、
赤毛のアン」に登場する引用句を次々と解き明かしてくれます。

まえがきによると、

初めて原書で『赤毛のアン』を読んだとき、なんだか不思議な文章がしばしば出てくることに気づいた。いかにも昔風の言葉づかいで、美しい詩のような一節や、芝居がかったドラマチックな台詞がたびたび出てくる。例をあげると、
「薔薇はたとえどんな名前で呼ばれても甘く香るであろう」
「人生とはなんと味気なく、気の抜けた、生き甲斐のないものだろう」
「過去は忘却のマントで覆い隠そう」
「小鳥たちは歌っていた。まるで今日が、一年でただ一日の夏の日であるかのように」などだ。


とのことで、
赤毛のアン」の詩的な表現がつぶさに調査されています。


松本侑子赤毛のアン」の訳注でも、
同じ内容が簡潔にまとめられていますが、
この本では、より詳しく
引用元の前後の流れも紹介して解説されています。


研究書のような内容ですが、
引用元のなどが豊かに紹介され、
薫り高い文学の世界に惹きこまれます。


章立ては以下の通りです。


アンの世界をもっと知りたい方に、
是非お勧めの一冊です。


赤毛のアンシリーズ(松本侑子訳、モンゴメリ著) - レビューも併せてご覧ください。


赤毛のアンに隠されたシェイクスピア
松本 侑子
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赤毛のアン (集英社文庫)
ルーシー・モード モンゴメリ
集英社
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